ファイナル!EeePC用純正フル互換の電源の自作(ACアダプタ) Part2.

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    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作る

     今回は現在、一般的なパソコン、いやパソコンに限ったことではないのだが、、、採用している電源の構造を説明する。

     EeePC用の9.5V電源を自作が簡単に出来るのか種明かしする。
     今回は、メカニズムと数式がならぶが、そういうものもあると肩の力を抜いて読んで欲しい。最後のところだけ押さえれば電源を自作できる。

     電子機器の軽薄短小化が進み、おっとどっこいそのくせ大食いであるために、電源はひとひねりも二ひねりもハイテク化してきた。

     たぶん、普通の方は電源なんて、トランスで電圧を下げて整流すればお終いと思っているはずだ。。。事実そのとうり、大きくなっても良いならばである。電子回路の中でトランスは最も大きいものに属する。整流した電気は元が交流だから、ざぶんざぶんしている。平坦化するためには大きなコンデンサが必要になる。


    1.スイッチング電源の発明


     電源が重く大きくなるのは、コイルの塊だからどうしようもない。。。これを解決するために巻き数比で電気を取り出すことを止めることにした。これがスイッチング電源だ。

     整流したAC100VをスイッチでON/OFFして電気を取り出す。電気はパルス状になるのでコンデンサで平坦化する。

     パルスの間隔が小さい程、コンデンサが小さくて良いのでできるだけON/OFFを高速に繰り返すようにする。

     このようにして、生まれたのがスイッチング電源だ。
    ここ10年ほどで劇的に電源が小さくなったのはこのような理由による。

     次の図の動きをしている。

    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作るその2
    [クリックで拡大]

     スイッチのON/OFFで出力電圧を確保しているので、出力電圧が高くなった時はスイッチをOFFにする必要がある。また、低くなった時はONにする必要がある。今回使用している電源は次のような仕掛けにより行っている。

    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作る3
    [クリックで拡大]

     スイッチング電源はこのような機構を備えている。今回使用したNT24-1Sシリーズは、内部にLM431というICを使用している。このICは、Ref端子(リファレンス=参照の略と思う)が2.5V以上になると内蔵するスイッチがオンになり、そうでない時はOFFになる。

     出力電圧が2.5Vでは都合悪いので抵抗R1とR2で分圧して細工している。この回路の場合、12.1Vの出力の時、Ref端子には2.5Vの電圧がかかる。

    ・12.1V以上になると、電気の供給が止まり電圧は降下する。
    ・12.1V未満になると、電気の供給が始まり電圧は上昇する。

     つまり、12.1V近傍でパタパタとON/OFFを繰り返していると言えるだろう。。。


    2.出力電圧の設定


     以上より(・e・)、NT24-1Sシリーズは図中のR1とR2の比率を出力電圧を設定していることが判るだろう。

    ・LM431はR2の両端の電圧を常に2.5Vを保持する。
    ・結果、R1の両端の電圧は、(R1/R2)倍の電圧がかかる。
     図では、18.2K/4.7K=3.87倍
     ゆえに、3.87×2.5V=9.675V 

     と計算できる。

    OK出力を公称9.5V(実は10V)の設定
    計算式: (( 欲しい電圧 / 2.5V ) -1) × R2 = R1
        ∴(( 10V / 2.5V ) -1) × 4.7K = R1
        ∴(( 4 ) -1) × 4.7K = R1
        ∴ 3 × 4.7K = R1
        ∴ 14.1K = R1

     なんのことはない、R2の3倍の抵抗をR1とすれば良い事が判る。

     もし、ファンダメンタルズに9.5Vにしたいときは、上の公式に従い、、、2.8倍すれば良いだけなのだが、13.16Kの抵抗で良いと判る。

    ※おっと、誤差を考えると、NT24の出力誤差は仕様上5%、これは一般的なものだろうが、9.5Vプラスマイナス5%で、9.025〜9.975となる(ーー)。
    EeePCは予想では、9.5V5%に対応しているとすれば、9.025までは動作する。。。ここに9Vつないで動いた動かなかったという現象は、この0.025Vの電圧差であったと言えるだろう。とんだ茶番だ。私としては純正電源に合わせて10Vを推奨する。

     0.025Vの問題は次を参照して欲しい。EeePC電源の実験,ACアダプタ9.5Vの実験 Part.6 [緊急追試の巻]


    3.さて、実際の追加抵抗が61Kになる理由


     あれれ、前回は抵抗が61Kと言っていたではないかと思う方がいあるだろう。。。実はもうひと波乱があるのである。これは理論上の問題ではなく、改造のしやすさという別の理由による。
     次の写真を見て欲しい。

    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作る4
    [クリックで拡大]

     R1とR2を赤枠で囲っている。。。
    R1を交換する事は合理的であろうか...(ーー)
     ひっぺがすにせよ、交換するにせよ、、、相手は米粒である。

     と前回は考えた。。。

     というわけで、R1は交換せず、並列にR1’を追加接続して上げる事を考えた。。。

     並列抵抗の計算式を示す。

     合成抵抗R = 1 / ( ( 1/R1 ) + ( 1/R1') )
    となる。まあ、前回は抵抗が手持ちの抵抗がないので、ボリュームをつけてグリグリ実地で検証した結果、R1’≒61Kであると解答を得た次第である。

    [検証]
    1 / ( ( 1/18.1K ) + ( 1/61K) )
    = 1 / ( 0.0549K + 0.0163K )
    = 1 / 0.0712K
    = 14.0449K
    ∴13.96K ≒ 14.044Kとなる。

     つまり、R1に並列に61K前後の抵抗を付けてあげる。これが一番簡単な方法であることが判る。

     ちなみに、61Kの抵抗は規格であることを確認したのだが、、、秋葉原で飛び込んだ見せにはなく、56Kと68Kがあった。。。56Kが入手しやすいかもしれない。

     これで再度計算しなおすと、、、13.74K。

     となりばっちりである。OK

     実際の電圧を計算すると13.74Kの両端は7.3Vとなる。
    加える事2.5V=9.8Vとなる。

    ∴+5%の誤差の時は、10.29V
     −5%の誤差の時は、9.31V


    4.実際の改造、再び

     前回のレポートで一度書いているが、より解像度の高い写真が手に入ったので再び説明する。

    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作る5
    [クリックで拡大]

     赤丸の所にR1’つまり57Kの抵抗を接続する。これは61Kが手にはいればそちらが良いだろう。

     青丸の所には12Vのツェナーダイオードを入れる。写真ではもともとあったツェナーダイオードを除去して入れた。
     もちろん、並列で入れても良い。この場合、旧ツェナーダイオードはもともと12Vより高い電圧で作動する。つまり、その前に新ツェナーダイオードが作動するのでまったく使われない。まあ、ジオングの足のような状態になる。

     このあたりは、改造者の好み、作りやすさで決めるべきだろう。新ツェナーダイオードを付ける上で邪魔だと思えば取れば良い。
    ※ツェナーダイオードは極性があるのでアノードとカソードを間違えずに接続して欲しい。ガラス管に帯が入っている方がカソードだ。もともと付いていたツェナーダイオードの帯を良く見て同じ方向で接続すれば良い。



    5.DCプラグの交換


     最後の総仕上げとして、DCプラグを交換する。
    EeePCのプラグは何か今まで不明だったがようやく型式が判った。
    いままでは、秋葉原にEeePCの純正電源を持参して接続して確認していた。。。適合したプラグから形式の比定できた。

     電圧区分3(外径4.75ミリ×内径1.7ミリ)というものらしい。らしいというのは、この「電圧区分3」というのが型式とは思えないからだ。。。しかし、実際には電圧区分3として販売している。

     電圧区分3あるいはEIAJ−3として指名部品を購入すると良いだろう。私はいつも秋葉原ラジオセンターで見繕っている。

     ここで重要なのは、コネクタの取っ手の方のケーブルを通す穴の大きい物を良く選ぶ事だ。本改造の実は一番難易度の高いところがここであったりする。24W級の電源である。DCプラグ側のケーブルはピークで2Aを突破する。やはり電線もしっかりしている。

     コネクタの選択に失敗するとDCプラグの交換ができないという問題にぶつかる。しょうしょう垢抜けなくても良いから自作用のプラグを選択されたい。


    ■08'4月15日編集後記
    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作る6
    ラボで入手できたDCプラグの使用結果を紹介する。現在、秋葉原などで普通に入手できるのはこの2つのいづれかのようである。

    1.左側のL字型
     これはたぶん、絶対に買ってはいけない。L字型の筐体が引っかかってEeePCに正常に接続できない。ムリして接続できると思うがEeePC本体に応力がかかり本体を痛める結果になるだろう。。。配線は楽なのだが、肝心のEeePCを痛めるのでは使えない。

    2.右側のストレート型
     EeePCには一切ストレスを与えない。選択の余地はなくこのタイプのようである。
     ただし、このタイプはAC電源のケーブルを通す穴が小さくて通すのに苦労する。
     通すにあたり、良く絞り込む必要がある。


    EeePC(Eee PC)の純正フル互換のAC電源を作る7
    [クリックで拡大]

     これが最後の総仕上げだ。今回の電源のプラグをEeePC用に電圧区分3に交換している。

     ケーブルのプラスとマイナスは必ずテスターで調べてから接続しよう。ここで間違えるとEeePCを破壊する恐れがあるからだ。

     ようやく、ここ数ヶ月のもやもやが晴れた。残念だがEeePCのあのもっこりした電源はあまり使いたくない。。。私は生理的に楕円と言うかああいう丸い物が苦手だ。。。やはり四角を基調とした機器が精神衛生上よろしい。。。昔、アップルのiMacを見た時も受け入れられなかった。。。しかし、あれはヒットしたから、丸いのが良いという人も多いのだろう。。。感性の違いか。


    注意


     もしも、、、出力電圧が9.5Vぴったしでないと嫌だとか、、、10.0Vでないと嫌だという場合は、今回私がやったように、ボリューム、厳密には半固定抵抗と呼ぶ可変抵抗をつけて調整すれば良い。。。100Kの半固定抵抗を付ければ十分である。

     ただし、、、一つだけ要注意。ハンダ付けする前に事前にテスターで約61Kに設定する事を忘れないようにして欲しい。もしも、、、接続した半固定抵抗の値が高く、出力電圧が11V以上の時、接続した12Vのツェナーダイオードが働き始め焼損あるいは回路を傷める可能性がある。。。

     確か、私が購入したツェナーダイオードは公称12Vで作動、実際には11.4Vmin〜12.7Vmaxのものだ。

     注意されたい。

     ああ、あと改造する時は必ず基板上のR1,R2を目視に抵抗値を確認を忘れずにして欲しい。基板上ではR22,R21と印刷している所がそうだ。もちろん、テスターと目視で間違いないことを確認して欲しい。ロットにより抵抗値および回路が変わる事が考えられるからだ。

     EeePCフル互換の電源の作成記事は本号を持って終了する。

     腕に自信のある方、是非チャレンジされたい。

     また、遠隔地で部品を調達が困難な方、および自作に自信のない方はキット化および組み立て代行を受けるので下記を参照されたい。

    ■08'4月22日編集後記
     実際に純正電源と今回の電源を測定したので参考にして欲しい。

    1.EeePCに最適な電源・バッテリはどれか?.純正電源のデータ測定
    2.EeePCに最適な電源・バッテリはどれか?.ラボの純正互換電源のデータ測定

    ■08'4月4日編集後記
     EeePCの消費電力の詳細をレポートした。
     EeePCの消費電力は現在測定の範囲では20Wのようである。

     EeePCの巡航時間アップ、BIOSのカスタマイズによる消費電力の調査


    http://cart05.lolipop.jp/LA07565553/



    [前回] [総合目次]  [蛇足<トラベル充電器>]


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    Eee PC高速化・SDHCのHDD化 プチフリバスター製品紹介ページ


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