3.Eee PCモバイルパソコン補完計画、4Way電源1号試作

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    EeePC(Eee PC)4Way電源の開発
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     今回は電源系のもう一つの総括となる。ラボでは過去、EeePCフル互換の9.5V系をファイナルとして発表している。今回は、車載、モバイル用のコアユニット電源として発表する。
     今回は「5章 Eee PCは乾電池で動くか?」で作成した電源ユニットを整理したものだ。この結果、Eee PCを4Wayでの使用を実現する。飛躍的にモバイル環境を拡大する。

    ・市販の12.5〜35V以下のACアダプタが全てEee PCに接続できる。
     -> 移動先にある各種ACアダプタとくにレノボ(以前はIBM)の
       ThinkPad用のACアダプタが使用できるようになる。

      編集追記10.05.08
      厳密な計算式に従うと12.12〜35Vの間で使用できる。

      編集追記08.05.17
      厳密な計算式に従うと12.12〜35Vの間で使用できる。

    ・車載電源になる。いわゆるカーチャージャと呼ばれるもの。
     Eee PCを自動車に接続して充電できるようになる。
     -> 本レポートでアダプタを作り紹介している。

    ・市販のモバイルパソコン用の外部増設電源がEee PCに接続でき
     るようになる。
     -> FILCOのFPS44PCなどがEee PCに接続できるようになる。

    ・第5章で紹介している「乾電池式ドロップタンク」のEee PCへ
     の接続を実現している。

        ***

     以上、しめて4Wayを実現する。最後の乾電池式ドロップタンクは現実性は???であるが、前3択は極めて有効だと思う。

     特に出先のAC電源がEee PCに接続できるようになるのは大きいだろう。。。DCプラグの形状と極性が適合している必要があるのだが、、、今回のシステムはThinkPadのプラグに形状を合わせた。比較的多数派のThikPadの電源がEee PCに転用可能になるのは大きいだろう。


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     今回開発したユニット写真。タバコの箱を一回り大きくしたサイズ。もっと小さくできるのだが、今回は第一優先順位を「簡単に確実に」ということでこのサイズにした。

     コアとなる電源ユニットは3種類用意した。この中で一番かさばるが、一番簡単で廉価な方式を採用した。回路図も公開するので腕に自信のある人は是非トライして欲しい。簡単で廉価なのでDIY向けの構成になっている。

     なんと言っても、秋葉原の「秋月通商」という店で@300円で販売している「HRD12003E」が安くて良い。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置写真
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     本ユニットのミソがこれだ。本ユニットにはINとOUTの2つのプラグがついている。

     左側がOUTプラグ。そのままEee PCに接続できる。

     右側がINプラグだ。現在市場に出回っているもっともありふれたいわゆる「標準DCプラグ」と呼ばれる方式を採用した。現在レノボで販売しているノートパソコン「ThinkPad」はこのコネクタを採用している。重要なことは3点。

    ・標準DCプラグを採用している電源に適合する。
    ・そして、電源は12.5V〜35Vの範囲であり、
    ・極性はセンター+つまり内側がプラスで外側がマイナス。

     この3つの条件が揃っていれば全ての電源が使用できるようになる。もちろん、変換アダプタがあれば、電圧さえ12.5V以上であればEee PCにパワープラントに化ける。

    1.車載アダプタ、カーチャージャへの応用
    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置、カーチャージャ用アダプタ、シガレットソケットに接続するケーブル
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     これは、本ユニットを車載バッテリに接続するケーブルだ。一方はシガレットソケットに接続する。一方のケーブルは本ユニットに接続できるようになっている。

     本ユニットを100%動作させるには1つの条件がある。それは、バッテリ電圧が12.5V以上あること。本ユニットは内部の電圧降下が定格3Vある。従い、Eee PC標準の9.5V+3V=12.5V以上が必要である。しかし、これはそれほど問題ではない。なぜなら、

    編集追記08.05.17
    電圧降下の定格3Vは簡易定数であり厳密には次の計算式による。
    Vin = (Vo + 0.8) / 0.85
    Vinが必要入力電圧、Voは出力電圧であるから、Voはここでは9.5Vである。
    ∴Vin = (9.5 + 0.8) / 0.85
    ∴Vin = 12.12V
     となり、車載バッテリは12.12以上あれば良い事になる。車載バッテリが12.12Vを割るという事態はほとんどバッテリが空っぽと判断できる。以上より本ユニットでまったく問題なく使用できるだろう。
     ラボでは12Vの電源を接続してみたが、9.5V強の電圧がきれいに出た事を付記する。


    1.バッテリ充電率が80%以上の車載バッテリは12.5V以上ある。
    2.エンジンをかけている時は、13V以上の電圧が発生している。

     正直言って、エンジンをかけている時の使用は推奨しない。ノイズの大量に混入している極めてダーティな電力だからだ。本ユニットはノイズフィルターを実装している。しかし、過信は禁物だ。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置、カーチャージャ用アダプタ、シガレットソケットに接続するケーブルのシガレット側の作り方
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     シガレットソケットに接続するコネクタは秋葉原で@200円くらいで販売している。あけてみると何の事はない。このような構造になっている。ここにケーブルを接続する。プラスとマイナスを間違えないように配線する。

     国産車は通常はシャーシがアースだから、センタープラスだろう。テスターなどで良く確認しよう。フランス車はプラスマイナスが逆なので要注意。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置、カーチャージャ用アダプタ、シガレットソケットに接続するケーブルの標準DCプラグ側の作り方
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     本ユニットに接続する側の写真。この標準DCプラグも秋葉原で@80円くらいで売っている。やはり、極性を間違えずに接続しよう。

     標準DCプラグ万歳である。何事も標準品は便利だ。

    2.市販ACアダプタの接続
     繰り返しになるが、重要だから述べる。

    ・レノボのThinkPadのAC電源がそのままEee PC用の電源に化ける。
     電圧は12.5V以上あれば良い。本ユニットが自動調整して
     EeePC用に9.5Vにするからだ。

    ・この他のものであれば、標準DCプラグであり、12.5V
     以上あれば使用できる。出力は27W以上あれば良い。
     Eee PCは最大21Wくらいの消費電力だ。本ユニットの効率が
     公称90%、サバを読んで80%としよう、余裕を持って27W
     以上にしよう。

    3.回路図
    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置の回路図、HRD12003Eを中心にしている。車載用にノイズ対策をしている
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     ”EeePCは乾電池で動くか?!「乾電池式使い捨て電源」の実験.3[変換装置の回路図紹介]”で本ユニットの基本回路図は紹介している。今回はそこに改良を加えた。赤で記載したのものがそうだ。

    1)村田製作所のノイズフィルターを入れた。
     車載用ノイズフィルターにBNX022シリーズというものがある。これの使用が理想であるが、これのほぼ同スペックの非車載用途の物「BNX002-1」が秋葉原で用意に手に入るのでこれを採用した。
     秋葉原の「マルツパーツ」という店で@380円くらいで手に入る。

    2)ツェナーダイオードという安全装置(素子)を入れた。
     これは一種のブレーカだ。ラボでは12Vのツェナーダイオードがあったのでこれを使用した。
     入力段では3個のツェナーダイオードを直列で入れている。これにより、12V×3=36V以上の電圧が入力にかかると、短絡して電流を逃がす。
     出力段では、これを1つ、つまり12V以上の電圧が発生したら、短絡して電流を逃がす。

         ***

     これらの処置は普通は、必要ないと思う。しかし、今回、車載アダプタも考慮して入れた。全ては車のダーティな電源に対する配慮だ。

     私の経験では平気で突発的に16Vくらいまで電圧があがる。一説には20Vのパルスが発生すると言う。点火プラグが数万Vの放電を行っている。バッテリ側にどのような逆起電が発生するか判らない。思いつく限り対策を講じた。

    1)初段、BNX002−1でノイズをカットする。
    2)ツェナーダイオード×3で36V以上の突発的電圧、つまり、
     パルスが発生した時はここでショートしてカットする。
    3)本ユニットの回路で安定化電源である。ここでも突発的な
     ノイズを除去してくれるだろう。
     C1には耐圧50Vのコンデンサを配置した。
     C3には少し大きめの1000μFのコンデンサを配置した。
     これがノイズを吸収してくれるだろう。
    4)最終段、12Vのツェナーダイオードを配置した。

          ***

     これらは全て車載へのアプローチだ。とはいえ、エンジンをかけながらの使用は推奨しない。

    ☆2010.5.8追記
    車 イグニッション ノイズ 測定結果
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     これはオシロスコープで測定したエンジンを掛けている状態での車の12V電源を測定したものだ。13.55Vを軸に脈流しているのが判る。


     ピークで15Vくらい出ているようである。また、良く見ると判るが突発的にヒゲ(高圧ノイズ)が発生しているのが判る。
     気になる所を赤で囲んだ。左がヒゲ。右側は電圧が跳ね上がっている。エンジンをかけている時に恐いのはこのヒゲの存在だ。高圧ノイズは電子機器の耐圧の低いところを損傷する。

     エンジンの点火プラグは数万ボルトの電圧を発生する。その揺り返しがバッテリ側にこのように影響を与えるのだと考えられる。

     測定は2ms(1000分の2秒)単位で行っている。

    車 イグニッション ノイズ 除去 測定結果
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     これは今回試作した電源の出力。キレイな9.5Vが出ている。

     「いくら浄水器がついているからとは言え、あえて下水の水を飲む必要はない。」
    これだけガッチリとノイズフィルターを施していてもやはり不安である。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置の回路写真
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     本ユニットを上から見たところ。。。
    実は写真撮影してから、手直ししたので最終形とは少し違う。
    1)当初、、、ツェナーダイオードを入れる事を思いつかなかった。。。(ーー)
    2)さらに当初は入力のC1は耐圧35Vにしていた。
     ドロップタンクやら何やらイレギュラーな接続を考えると不安であり、50Vに耐圧を変更した。

     というわけで、実際にはC1を大きくし、ツェナーダイオードを追加している。以後の写真も同じ。だいたいのイメージを掴んで欲しい。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置の回路写真その2、村田製作所のノイズフィルタが入っている
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     一番手前のキャラメルのようなものが、BNX002−01村田製作所のDCノイズフィルターだ。左側がC1コンデンサー、右奥の青い四角い部品がVR1,これで出力電圧が9.5Vになるように調整している。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置のケース組み付けの写真
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     本ユニットをこのように、ケースに入るようにしている。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置のケース組み付けの写真2
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     これは蓋を閉める前の光景。すっぽりユニットがケースに納まる。
    ※ハンダが汚いのは許して欲しい(笑)。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置のケース組み付けの写真3、これで完成だ
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     そして、アルミの蓋をして組み付けはお終い。
    DIY系のネックはケースがしょぼい事なのだが、、、ホビーストはそのような事を気にしてはいけない(笑)。

    4.Eee PC外部ブースターの実演
    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置をFILCOの外部拡張バッテリに接続してEeePCを起動!
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     たぶん、世界初ではないか、、、まあ、馬鹿馬鹿しいから誰もやらないというべきだが、、、FILCOの外部拡張バッテリー(4400mAH)をEee PCに接続している。

     これで、内蔵の5400mAH+4400mAH=9800mAHのバッテリで動くEee PCの出来上がりだ。。。

     本ユニットの公称効率は90%なので4400mAHのうち、有効利用できるのは3960mA程度だろうか、、、(汗)。

     しかし、、、これは結構ムダに楽しい。。。Eee PCは目立つ。出先で拡げると、「ををを、それは何?」同じ物を是非欲しいと客先で言われる。。。さらに、カフェテリアで拡げていると極めて目立つ。。。

     どノーマルで、これだけ目立つのだから、本ユニットと増設タンクをつけるとさらに目立つ。。。という悦楽的価値はあるだろう。

     もっとも、この組み合わせは結構、実用的でもある。良くあるEee PC用の大容量バッテリは、実は充電装置がないという欠点が有る。Eee PC本体をクレードルとしておりEee PCとは独立して充電できないというものだ。これは案外つらい。

     外部拡張バッテリではそのような事はない。付属するか別売かはあるが、通常のACアダプタで充電するのでEee PCに依存する事はない。これはありがたい。

    EeePC(Eee PC)4Way電源の装置が動いているのがわかる
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     最後にこれは起動したEee PCのコントロールパネルの中の電源の設定。現在Eee PCはAC電源に接続しているものとして動いている。

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